ホーム > 消費税率の引き上げ~8%から10%へ~ その2

消費税率の引き上げ~8%から10%へ~ その2

2019年08月30日(金)1:31 PM

 消費税の税率は、2019年10月1日に現在の8%から10%に引き上げられます。
 同時に、消費税率引き上げに伴う低所得者へ配慮の観点から、「酒類・外食を除く飲食料品」と「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」を対象に、軽減税率制度(税率8%)が実施されます。
 今回は、どのような取引が軽減税率の対象となるのかを、見ていきます。


1.軽減税率の対象となるものの考え方

(1)対象品目

 軽減税率の対象品目である「飲食料品」とは、

・「人の飲用または食用に供される」
・「食品表示法に規定する食品(食品衛生法に規定する添加物を含む)」

をいい、

・「酒税法に規定する酒類」
・「医薬品」「医薬部外品」「再生医療等製品」

を除きます。
また、その飲食料品の譲渡のうち「外食(食事の提供)」「ケータリング等」は除かれます。

(2)判断時期

 軽減税率が適用される取引か否かの判定は、「事業者が課税資産の譲渡等を行うとき」、つまり飲食料品を提供する時点で行います。

(3)外食となるかの判断

 軽減税率の対象とならない「食事の提供」とは「飲食設備のある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供」のことをいいます。
 ここでの「飲食設備」とはテーブル・カウンター・椅子等をいいます。飲食設備については、飲食店自らが設置しているものでなくても、設備を設置している者との合意に基づいて飲食店の顧客に利用させることとしているときは、飲食設備に該当します。


2.軽減税率の対象となるかどうかの取引例

(1)お酒、料理酒

①ワイン、日本酒など・・・酒税法に規定する酒類は税率10%。よって家庭料理の調味料として使うものでも10%が適用。
②みりんや料理酒・・・「みりん」は酒税法に規定されているため10%。一方「みりん風調味料(アルコール1度未満)」や料理酒などの発酵調味料(アルコール1度以上であるものの、塩などを加えることにより飲用できないようにしたもの)は飲食料品に該当し、軽減税率の対象となる。

(2)栄養ドリンク、サプリ

①栄養ドリンク・・・医薬品、医薬部外品(「医薬品等」)は食品に該当しないため、医薬品等に該当する栄養ドリンクは10%。
②サプリ、健康食品・・・特定保健用食品、栄養機能食品は医薬品に該当しないため、食品となり、軽減税率の対象となる。

(3)コーヒーショップ、フードコートなどの外食

①コーヒーショップ・・・コーヒーショップの場合、これまで同様レジでテイクアウトかどうかを伝え、テイクアウトは10%、店内で飲食する場合は軽減税率が適用され8%となる。また、コーヒー豆の版売については、コーヒーの生豆は食品に該当し、軽減税率の対象となる。

②フードコートなど・・・ショッピングセンターのフードコートでの食事、セルフサービスの飲食店での飲食、カラオケボックスの個室内での食事は10%となる。
 一方、映画館に設置された売店でソフトドリンクやポップコーンを買って、座席で映画鑑賞しながら飲食する場合、売店では単なる飲食料品の版売にあたるため、軽減税率の対象となる。
 また、公園の近くの移動販売車での食品の販売で公園のベンチを利用する飲食、新幹線等の列車内の移動ワゴン販売(座席にあるメニュー表からの注文による飲食、特別観光列車等の食堂施設における飲食、事前に予約を取って行う食事を除く)は軽減税率の対象となる。

③いちご狩り、梨狩りの入園料・・・その場で飲食するため10%。ただし、収穫した果物について別途料金を徴収している場合、その持ち帰る果物の販売は軽減税率の対象となる。

 

 

 



過去の記事