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消費税増税と住宅購入者への現金給付措置

2013年07月03日(水)5:07 PM

 自民党と公明党は6月26日、来年4月に消費税率を8%に引き上げる際の負担軽減策及び消費税増税を前提とした駆け込み需要の抑制策として、年収制限を設けた上で住宅の購入者に対して給付措置を行う考えを公表しました。

 想定する給付額は、消費税8%引き上げ後に住宅ローンを組んで住宅を購入する場合、年収が425万円以下で30万円、475万円以下で20万円、510万円以下で10万円。現金で住宅を購入した場合も、50歳以上で年収650万円以下を対象に給付を行うとのことです。
  また、消費税を10%に引き上げられた場合はさらに給付額を拡充する予定だそうです。

 この政策の大きな狙いは、住宅ローン減税の効果を最大限活用できない所得者層に対する補完が目的です。
 住宅ローン減税は、住宅ローンを組んで住宅を購入した人に対して、借入額等に応じて所得税や住民税を減税する制度ですが、税額計算の結果、30万円の減税を受けられるという結果になっても、本人のその年の所得税と住民税の金額が合わせて30万円に達しないのであれば、その差額分は切り捨てられることになります。
 今回の給付金制度はそのような人に対する措置といえます。

 この給付措置がどのような影響かを考えてみると・・・。

 たとえば、考えやすいように単純に、3,000万円のマンションを全額ローンで購入した場合で、その内訳を土地の価格(消費税課税対象外)を1,000万円、建物価格(課税対象)を2,000万円とします。

 現行の消費税率が5%だと消費税額は100万円です。
 これが来年4月の8%に増税するとなると160万円となり60万円の消費税負担が増加することになります。
 仮にこの人の年収が425万円だとすると、今回の給付措置では30万円の給付が受けられることになり、住宅ローン控除額の年間30万円(借入額に対して1%の減税)と合わせ60万円の恩恵(?)を最大で受けられることになります。

 しかし、現実的に考えて、年収425万円以下の人が3,000万円のマンションを購入するために、3,000万円のローンを組むのは難しいのではないでしょうか。

そうなると、たとえば借入額が2000万円だった場合、住宅ローン控除額が20万円となり、給付額と合わせて合計50万円です。消費税の負担増の60万円に届かなくなることになります。

 
 非常に難しいですが、今回の給付措置も考慮に入れて、住宅はいつ買うべきか見極める必要があるようです。
 

 

 

 

 



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