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婚外子の相続分

2013年12月09日(月)5:04 PM
 結婚していない男女間に生まれた子である婚外子(「非嫡出子」)の遺産相続分は、法律上の夫婦の子(「嫡出子」)の半分とする民法900条の規定があります。

 先日、この規定を削除するという内容の民法改正案が可決、成立しました。

 これは、今年
94最高裁が、この規定について「父母が婚姻関係になかったという、子が自ら選択や修正をする余地のない事柄を理由に不利益を及ぼすことは許されない」などとして、法の下の平等を定めた憲法に違反するとの決定を出したことによるものです。


 非嫡出子
とは、婚姻届を出していない男女から出生した子供をいいます
 この場合、男女はこの子供と法律上の親子関係にはないので、非嫡出子には親の遺産に関する相続権がありません
  しかし、非嫡出子を父親が「認知」した場合(母子関係は分娩によって発生するものとされています、相続権が発生します

 ただし相続権が発生することになったとしても、今
までは、非摘出子の相続分は、摘出子の相続分の2分の1でした。
 これについて、今回の改正案の可決により、民法上、非嫡出子も嫡出子と同じ相続分となることになりました。
 明治時代から続く婚外子に対する差別とされてきた規定が、現代の家族観の変化により、115年ぶりに解消されます。


 相続税の取り扱いに関しては、国税庁は、最高裁の違憲判決に対して次のように公表しています。

①平成
2594日以前に相続税額が確定している場合

  平成2594日以前に、申告又は処分により相続税額が確定している場合には、更正の請求は基本的にできません
 非嫡出子の相続分を計算し直し、相続税額が減額する場合でも、そのことのみをもって更正の請求をして、税金の還付は受けられません。

平成2595日以後に相続税額が確定する場合

  上記のように94日以前に相続税額が確定していた場合でも、95日以後に税務調査等で修正申告が必要になった場合等には、改めて相続税額を確定する必要がありますが、そのの修正申告は、嫡出子と非嫡出子の相続分を同等として、相続税額を計算します。

平成2595日以後に新たに相続税額が確定する場合(相続税の申告期限が平成2595日以後の場合)

 95日以後に申告書を提出する場合は、嫡出子と非嫡出子の相続分を同等として、相続税額を計算します
 また94日以前に既に申告していても、相続税の申告期限が95日以降であれば、申告し直す事ができます


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